臍ヘルニアとは、お腹の臓器がお臍から外に飛び出した状態をいいます。赤ちゃんの臍ヘルニアは、10~20人に1人の割合で発生します。
好発時期は生後2~3か月ごろで、泣いたりして腹圧がかかることでお臍から腸が飛び出した状態になり、見た目で気づかれる場合が多いです。
以前は臍ヘルニアは自然治癒することが多いと言われ、2歳頃まで無治療で経過観察を行い、自然治癒しない場合、手術治療の適応とされてきました。しかし、経過観察だけでは、脱出が酷くなる例が多く(特に大きなヘルニア)、近年、手術例が増加しています。様子をみている間にお臍が出っ張って一度伸びてしまった皮膚は臍ヘルニアが治った後でも皮膚のたるみ・臍の変形(でべそ)が残ってしまうため、日本では近年、早期にでべその圧迫療法を行うことの整容面での効果が見直され、多くの医療機関で早期治療が行われています。
積極的に臍の変形(でべそ)を予防します(整容効果)
でべその圧迫療法では多くの医療機関において丸い綿球とテープを使用されることが多いですが、当院ではより治療効果が高いニチバン「へそ圧迫材パック」を採用しております。
《※当院ではこの製品の追加費用を患者様から頂いておりません。当院で治療を受けられる方には無料でご提供させて頂いております。》
使用機材 ニチバン「へそ圧迫材パック」
「圧迫療法」とは飛び出ている腸をお臍の内側に押し込み、へそ圧迫材を置きテープで固定する治療です。
圧迫療法は早く治療を始めるほど治癒率が高いと言われており、生後6ヶ月以降になると治療効果が低くなってしまいます。
臍ヘルニアに気づいてからできるだけ早い時期に治療を開始することが、でべその治療の最も重要なポイントです。
治療対象者
生後6か月以降は治療を開始しても改善する見込みは低いため、できるだけ早期の治療開始をおすすめしております。
治療の流れ
- 医師の診察後、治療が必要と判断した場合、臍ヘルニア圧迫材を用いて治療を行いご帰宅いただきます。ご自宅ではテープを貼ったまま普通にお風呂に入ることが可能です。
- 1週間に2度来院していただき、当院で圧迫材キットの交換を行います。その際、お臍の圧迫部位の赤みやテープかぶれがないか入念に観察を行います。このように週に2回、入念に観察を行うことが安全に治療を行う上で非常に重要です。問題がなければ圧迫療法を続けていきます。もし、治療の休憩が必要と判断した場合は軟膏処置を行い一時的に治療を休憩することがあります。
- 治療期間はおおむね1~2か月程度の場合が多いですが、途中で休憩期間があれば場合によってはそれより長くかかる場合があります。
- 治療を数か月継続し改善がみられない場合、圧迫療法による治癒の可能性は低くなります。外科的な治療を検討するのが望ましいと判断した場合は外科治療が可能な専門医療機関へご紹介をさせていただくことがございます。