現在の食物アレルギー治療の基本方針は「必要最低限の除去」が推奨されています。適切な時期に除去を解除できるか見極めることが重要です。
しかし実際は、間違った自己判断や医師による不適切な(過度な)食物除去指導を長期にわたり続けられているケースがみられ、患者さんご自身そして養育者である親御さんへの悪影響が心配されるケースも見受けられます。
そうしたお子さんや親御さんの心身の健康促進を考慮し、当院では食物アレルギーを克服するための治療《経口免疫療法》に積極的に取り組んでおります。
アレルギーの原因となる食物を、症状が出ない程度の少量から食べ始め、徐々に食べる量を増やしていくことで最終的に克服する、あるいは一定量まで食べられることを確認する治療法です。
経口免疫療法の実施曜日・時間帯
(火)(水)(木)(金)のAM8:30~10:45
実際の治療の流れ
事前に問診およびアレルギー血液検査を行います。問診によるアレルギー食材の推定が最も重要です。アレルギー⾎液検査では食べ物のIgE抗体価を調べますが、この結果が陽性でも必ずしも食物アレルギーとは断定できないため、問診内容とアレルギー血液検査結果を総合的に勘案し診断します。そのうえで経口免疫療法を開始する時期と食べ始める量を決めます。
まず初回は院内で実際に食べて頂き約30分間アレルギー症状が出ないか院内で経過観察をします。特に症状が出なければ翌日以降、同じ量をご自宅でも食べて頂き1~2週間後に受診して頂きます。特に問題ないことを確認できたら食べる量を少しずつ増やしていきます。このようにして徐々に食べる量を増やしていくことで体を慣らしていき、最終的に一定量を食べられるように克服するという治療法です。
ご質問・ご相談がございましたらお気軽に院長にお尋ねください。